アルコールの過剰摂取が、抜け毛の増加に繋がる可能性は否定できません。そのメカニズムと、抜け毛を防ぐための対策について考えてみましょう。アルコールによる抜け毛のメカニズムとしては、まず「栄養不足」が挙げられます。アルコールを分解する際には、多くのビタミンB群や亜鉛といった、髪の成長に不可欠な栄養素が消費されます。これらの栄養素が不足すると、毛母細胞の働きが低下し、正常なヘアサイクルが乱れ、髪が十分に成長する前に抜け落ちてしまう「休止期脱毛」を引き起こす可能性があります。また、アルコールは肝臓に負担をかけ、タンパク質の合成能力を低下させることもあります。髪の主成分であるケラチンもタンパク質の一種であるため、タンパク質不足は抜け毛の大きな原因となります。次に、「アセトアルデヒドの影響」です。アルコールの代謝物であるアセトアルデヒドは、細胞毒性を持ち、毛母細胞に直接ダメージを与える可能性があります。これにより、髪の成長が妨げられ、抜け毛が増えると考えられます。さらに、「睡眠の質の低下」も抜け毛に関係します。アルコールは睡眠の質を悪化させ、成長ホルモンの分泌を減少させます。成長ホルモンは、細胞の修復や再生に重要な役割を果たしており、その分泌が不足すると、髪の成長が悪くなり、抜け毛に繋がる可能性があります。「頭皮環境の悪化」も一因です。アルコールによる脱水や血行不良は、頭皮の乾燥や栄養不足を招き、健康な髪が育ちにくい環境を作ってしまいます。では、これらのアルコールによる抜け毛を防ぐためには、どのような対策が必要でしょうか。最も基本的な対策は、「飲酒量をコントロールする」ことです。節度ある適度な飲酒を心がけ、休肝日を設けるなどして、肝臓への負担を軽減しましょう。また、「バランスの取れた食事」も重要です。アルコールによって失われやすいビタミンB群や亜鉛、そして髪の材料となるタンパク質を積極的に摂取しましょう。緑黄色野菜や果物、魚介類、大豆製品などをバランス良く食べることが大切です。「十分な睡眠」を確保することも、成長ホルモンの分泌を促し、髪の健康を守るためには不可欠です。そして、飲酒時には「水分補給」を忘れずに行いましょう。脱水を防ぎ、アルコールの分解を助ける効果も期待できます。
— かつら —
アルコールによる抜け毛、メカニズムと対策
2023年11月12日