AGA（男性型脱毛症）の治療法の一つとして、自毛植毛は効果的な選択肢とされています。特に海外、とりわけ欧米や韓国などでは、自毛植毛の技術が早くから発展し、多くの症例実績があります。海外における自毛植毛の現状と技術の進歩について見ていきましょう。自毛植毛は、自身の後頭部や側頭部といったAGAの影響を受けにくい部位から毛髪を採取し、薄毛の気になる部分に移植する外科手術です。海外では、この自毛植毛がAGAの根本的な解決策の一つとして広く認識されており、専門クリニックも多数存在します。技術の進歩も目覚ましく、より自然で高密度な仕上がりを追求するための様々な工夫が凝らされています。代表的な技術としては、FUT法（Follicular Unit Transplantation）とFUE法（Follicular Unit Extraction）があります。FUT法は、頭皮を帯状に切除し、そこから毛根を株分けして移植する方法で、一度に多くの毛髪を移植できるメリットがあります。一方、FUE法は、専用のパンチを使って毛根を一つ一つ採取し、移植する方法で、傷跡が目立ちにくいというメリットがあります。近年では、FUE法をさらに進化させた、より精密な採取・移植技術も開発されています。例えば、ロボット支援によるFUE法や、極細のパンチを使用するマイクロFUE法などです。これらの技術は、採取時の毛根のダメージを最小限に抑え、移植後の生着率を高めることを目的としています。また、移植する際のデザインにも高度な技術が求められます。単に毛髪を植えるだけでなく、生え際のラインや毛流れ、密度などを自然に見えるようにデザインすることで、より満足度の高い結果が得られます。海外の著名なクリニックでは、経験豊富な医師が最新の技術と美的センスを駆使して、個々の患者に合わせたオーダーメイドの植毛手術を行っています。日本国内でも自毛植毛を行うクリニックは増えていますが、海外の先進的な技術や豊富な症例数は、日本の植毛医療にも影響を与えています。ただし、海外で自毛植毛を受ける際には、言葉の壁や費用の問題、アフターケアの体制などを十分に考慮する必要があります。