AGA（男性型脱毛症）治療を途中でやめることを検討する際、多くの人が「後悔したくない」という思いを抱くでしょう。治療を中断すると、せっかく得られた効果が失われ、薄毛が再進行するリスクがあるため、やめる前に知っておくべき重要な注意点があります。自己判断での中断は、さまざまなリスクを伴うことを理解しておくことが肝心です。 AGA治療薬は、薄毛の進行を抑制し、発毛を促進することを目的としています。しかし、これらの薬は服用・塗布している期間に限定して効果を発揮するものであり、根本的な治癒を目指すものではありません。そのため、たとえ一定期間継続して使用し効果を実感していた場合でも、治療をやめると薬の作用が徐々に弱まる可能性があります。 具体的に薬の効果がなくなるまでの期間は、内服薬（フィナステリドやデュタステリドなど）の場合で3〜6ヶ月、外用薬（ミノキシジル）の場合は数ヶ月程度とされています。ミノキシジル外用薬や内服薬を中止すると、3ヶ月以内に髪の密度が減少し、頭皮が透けて見えるようになることが一般的だという報告もあります。海外の臨床試験では、フィナステリドを1年間継続使用後に治療を中断すると、約1年以内に投与前の状態に戻る可能性が報告されています。 治療を中断することによって、男性ホルモンの生成抑制が止まったり、頭皮環境や毛髪の成長に関わる細胞の機能が変化したりすることで、薄毛が目立つリスクが高まる場合があります。これまでの治療にかけた時間と費用が無駄になってしまうだけでなく、心理的な負担も大きくなる可能性があります。 もし治療を中断したいと考える理由が、副作用の継続、期待した効果が得られない、金銭的な負担、薄毛への価値観の変化などである場合でも、自己判断で薬の使用を中止することは避けるべきですし、必ず医師に相談することが大切です。専門家の意見を取り入れることで、治療中止以外にも、一時的な休薬や治療法の変更といった代替案を提案してもらえる可能性があるからです。後悔しないためにも、必ず医師に相談し、自身の状況に合った判断をすることが大切です。